いつもそこには音楽があった
ずっと音楽に触れて
家の中にはいつも音楽が流れていた。サイモン&ガーファンクル、ボブ・ディランー夜になれば大人たちが遊びに来て、おもむろに誰かがギターやピアノを弾いて歌い始める。外に出れば、湘南の海。そんな環境で育ったのがAさんだ。父はミュージシャン母は歌手の。「父がピアノを弾いて曲を作っているのを見て、幼い私もオタマジャクシを弾いてみたり、でたらめにピアノを弾いてみたりして、「私も作ったよー」なんて言っていました」。Aさんが遊びで作った曲を披露すると、周囲の大人に「Aも音楽をやるようになるんだね」と言われた。「そう言われると、そんなこと分かんないじゃん、と、変にムキになっていました」。
親と音楽家
「僕は映画関係の仕事をしていた父に自由放任で育てられたので、自分の娘にもそれを受け継いじゃいましたね。妻の方が褒めるところは褒めて、しかるときはしかっていました」とお父さん。Aさんは物心ついたころから母さんにピアノを教わっていたが、3歳のときに、やりたくないと言い出してやめた。「反抗というわけではなかったんです。父も母も、音楽をやっているときは別の人になってしまう。プロとして音楽に接する彼らの姿と、親としての普段の姿が違うことが分かって、それを感じるのが嫌だったのかもしれません」